2012/09/25

     曲面上の貼り合わせ

首輪の話。

 

首のカーブに近い曲面上で張り合わせていく作業。

コレがなかなか難しいんです。

 

裏革にクッションを合わせて包み込むのも、表革と合わせるのも曲面上。

革やクッションの厚みによって出来る長さの差を計算して合わせています。

 

表と裏の長さの差は40mm近く。

結構な差です。

この表裏の長さの差をつける事が[CRAMWELL]の首輪の最大のポイント。

 

平面上で5mmのクッションを入れると、丸く曲げた際に内側にボコボコと大きなシワが出来ます。

表(外)側はそんなに伸びずに、裏(内)側が縮められるからです。

クッション無しのモノなら内径と外径にそんなに差が無いので大丈夫ですが、

クッションが入って厚みがでると 内径と外径の差=長さの差 がシワになって出てきます。

 

例えば、平面上で2mm厚の革を合わせた首輪の半分に厚さ3mmのクッションを入れた場合(一周ピッタリの長さとして)

クッションの無い部分は  2mm×2×3.14×1/2=6.28mm

クッション入りの部分は  (3mm+2mm)×2×3.14×1/2=15.7mm

この差がシワになって出てきます。

 

シワが絶対イケナイという訳では無いですが、あるよりは無い方が見た目も

キレイでだし首当たりもイイんじゃないかと。

 

 

表裏の長さを変えることでイイ事として他に革の耐久性も考えられます。

 

平面上で合わせて丸く曲げた場合、

縮められている裏側は革が余っている状態。

コレは長くなる余地があるので外向きに掛かる力(犬が首輪を引っ張る力)を

支える力が弱い。

表側はピンと張っている状態。

外向きの力を掛けると革が伸ばされていきます。

裏側が長くなる余地がある間は、外向きの力を支えるのは主に表側の革

ということになります。

実際には表と裏は接着して固定してあるので、そこまでダイレクトに表側の革に

力が掛からないと思いますが、こうゆう傾向は残ると思います。

 

表裏の長さを変え首のカーブに近い曲面で合わせた場合、

表も裏も革は伸ばされても縮められてもいない状態で同じ。

外向きに掛かる力を表裏均等に支えます。

 

この差が表革の耐久性の差に繋がってくると考えています。

 

クッション入りはクッションの沈み込みがある分支える力が少し均等ではなくなるので、コレについてはクッション無しの方が効果が大きそうです。

 

 

 

何かしら追記&画像追加予定。